建設業の税務

　建設業の工期は長いものでは１年以上になるものがあります。そのため売上をいつ計上すべきか判断に迷うことがあります。そのため税務調査で否認されることがあります。特に期末の工事は狙われやすくなります。もし修正申告となると数百万単位の追加納付となり、会社の資金繰りに影響します。このような事を防ぐためには、工事の売上基準を明確にしておくことが必要です。

　工事台帳とは、工事ごとの材料費、労務費、外注費その他経費を区分して書き込む台帳のことです。これがあれば工事の進捗状況も分かりますし、取引ごとの経費の明細もわかります。また税務調査の時に役立ちますし、調査官の印象も大きく変わります。工事台帳を作成し、すぐにとりだせるように保管しておくことが大切です。

　建設業において税務調査で問題になるのが、外注費と給与の問題です。一人親方に仕事を依頼して外注費で処理をしていても、税務調査で給与と認定される場合が多くあります。給与と認定された場合、源泉所得税を追徴課税され、また消費税を本則課税を選択している場合、消費税も追徴課税されてしまいます。そのため外注費か給料かを明確に区分しておく必要があります。